よし、引きこもろう。

引きこもって、創作創作ぅ!

“よし、引きこもろう。”

私の何がそうさせたのか。「失踪します」手紙にそう書いて20日間旅に出た話

これは、大学生の頃の話です。

 

大学は4年生になると、授業の一環で、それぞれ選択した研究室に割り振られます。

研究室で実験や考察を行って、卒論を書くためです。

 

研究室内でゼミをやることもありました。

ゼミとは、研究分野の本(英語でまだ誰も翻訳していない)を、生徒と先生が集まって議論する、いわば会議のようなものです。

そこでの状況は?

私は、研究もゼミも全くついていけませんでした。

その上、実験は長く続き、朝9時に開始したのにも関わらず、終わったのは日付を超えて夜中の1時なんていうことが普通でした。

 

家に帰ってから勉強して眠ろうとすると、もう朝方です。

 

「全くついていけない」「眠る時間がない」

ということは、私に大きなストレスを与えていました。

でも、やっていることはみんな同じなはずです。私だけ文句や愚痴を言うわけには行かないと、我慢していました。

 

それからもう一つ、私には、懸念していることがありました。

「卒論」のことです。

 

教授が私に卒論の話をしてこないのです。

卒論のことが気になって、私が研究室の教授に尋ねると、

 

「卒論のことはひとまず置いておいて、今やっている実験に集中してください」

という回答をされました。

 

その後、数回訊ねていっても、同じ回答です。

卒論は書かなくていいのか?

他の学部は異なるようですが、私のいた物理学科は、卒論を書く・書かないは研究室の教授に任せられていました。

 

研究室の教授が、生徒が一年間真面目に研究を行ったと認めれば、場合によっては卒論を書かなくていいのです。

私の一つ上の先輩にも卒論を書いていない方がいました。

 

当時、大学を卒業して、大学院の修士1年です。

先輩曰く、一年間でやったことをまとめて、研究室のみんなの前で発表しただけ、とのことです。

 

それならば、私もそうなるのか、と納得しました。

そうして、実験・ゼミのストレスを抱えながら、卒業間近というところまで来ました。

 

そのとき、私は、相当疲れていたんだと思います。

そうでなかったら、あんな決断はしていなかったでしょう。

 

2月のある日、教授が私を呼び出して言いました。

「今やっていることを、卒論にしてください」

 

今やっていることに卒論を書くことが加わったら、忙しいなんてものではなくなります。

そもそも、卒論の書き方を私は知りません。

 

まず、それを調べることから始めなくては行けないでしょう。

そこで、ぷつんと、糸が切れました。

「そうだ、失踪しよう」

その場で本当にそう考えました。

辛くなったら失踪すべしという本をどこかで読んでいたのです。

そのために、そういう決断になりました。

 

この後、失踪するのですが、これは完全に私の我が儘によるものです。

これ以上、辛くなりたくないという感情がありました。

 

でも、この選択は間違っているとは思いません。

そうでなければ、今の私はいなかったかもしれないのですから。

 

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